クリエーター向け契約知識セミナー(1)
PECさんで開催されていた「クリエイター向け契約知識セミナー」というのに参加してきました。
契約って大事だなと思って、自分でいろいろ調べて勉強したけど、やはりちゃんと弁護士さんがしてくれるセミナーは受けておいたほうがいいかなと。
セミナーの内容は契約書に関する知識と制作に当たっての注意点、下請法、著作権、個人情報保護法についてです。
■契約書に関する知識
まず「契約」と、「契約書」は別物で、「契約」するのに書面は必ずしも必要なモノではありません。
口約束でもそれは契約になります。
それでは契約書を作る意義はどこにあるのでしょう。
まず、書面化することで客観的に何に合意したのかという点を明白にすることが一つ。
これにより、言った言わないの水掛け論が減ります。
次に法律上のルールを変更する場合。
そしてリスクを軽減し、保証や賠償の範囲を明確化できるという点です。
ただ、契約書を作るには専門家に頼む費用がかかったり、制作に時間がかかります。
また言及しなければ法律上は問題にならかなかったのに、契約書を作ったことにより不利になる場合もあったりします。(やぶへびってやつですね)
契約書は特に定まったフォーマットはなく、内容も独禁法や公序良俗に違反しているなどの「強行法規」がなければ何を書いてもOKです。
また、タイトルに法的効力はなく、内容に影響は与えないので、たとえば「覚え書き」としていても「契約書」となんら変わるものではありません。
例えばタイトルが「業務委託契約書」であっても、その内容が「雇用契約」的なものだった場合、それは「雇用契約の契約書」と判断されます。
先に契約書にフォーマットはないと言いましたが、「契約書」とするためには、書面の最後に両者の署名捺印をし、両者が1部づつその契約書を保管することが必要になります。
このサインの段階で注意するべき点は、「自分が誰と契約を交わしているか」ということです。
契約書にサインしている相手が、法人格であるのか、またサインしている相手に本当に代表権や代理権があるのかという点を確認しましょう。
例えば、「●●委員会」や「■■プロジェクト」などというものは法人格がない場合もあります。
口頭でも良いので、相手が代表として契約できるのかなど相手の身分や信用度を確認したほうが良いでしょう。
また、契約はサインをした人にしか効力はありません。
例えばA社と契約した場合、子会社のb社にもその契約書を適応する、と言ったようなことはできません。
第三者に義務を履行をするにはそのための手続きが必要になります。
■制作受託契約の注意点
まず「自分が何を受託するのか」をはっきりとさせましょう。
「なにをやるのか」(仕様の特定)
「どこまでやるのか」(業務の範囲)
「何をもって完成とするか」{業務の完成)
「どの範囲まで保証するか」(瑕疵(かし)担保)
といったことを決めていきます。
それと同時に検収(チェック作業)についても決めていきましょう。
検収方法や、その基準、仕様の範囲、検収期間などです。
特に検収期間は大事で、「納品してから●日以内に連絡がない場合は、検査に合格したモノとする」などといった文面をいれておくのが良いでしょう。
また支払い条件なども決めておくとリスクが回避できます。
沢山の業務を一度に受けた場合や、作業工程がいくつかに分かれている場合など、「1部が終了したら」「この行程まで行ったら」支払いをしてもらうなどの形をとると良いでしょう。
また再委託についても、契約書に盛り込んでおいた方が良いです。
すでに、委託する人が決まっている場合には、その法人や個人名をだして、決まってない場合には、第三者に委託することを、合理的な理由がないかぎり拒否をしないという内容です。
■権利の帰属について
ほとんどの場合、著作権は委託者に譲渡するという形式になっていると思います。
同時に記載されている内容として
著作権法27条・28条(翻案権や二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)を含む
著作者人格権を行使しない
といった内容があります。
クリエーター側にとって一番いいのは、著作権や27条・28条、著作者人格権が手元に残ることですが、それでは委託者側にとっては不都合なのでなかなか合意が得られないのが現状です。
このような場合でも、業務を受託する以前に自分が作ったものを使って、成果物を作るような場合は、その以前に作ったものの部分は譲渡しないように気をつけてください。(受託者が以前から有している著作権を留保する)
例えばプログラムで作ったモジュールを、案件で使って全ての権利を譲渡してしまった場合、別の案件でそのモジュールを使うと、著作権法違反となってしまいます。
■瑕疵(かし)担保
「瑕疵(かし)」とはその製品にあるべき品質や性能が欠如していることを言います。
「瑕疵(かし)担保」は欠陥があった場合に負う責任のことです。損害賠償や契約の解除などがあります。
これらは合意されている基準をもって瑕疵(かし)とし、契約書で基準が設けられていない場合は業界の基準を適応します。
責任を限定するためにも、瑕疵(かし)とする範囲や、期間を制限する必要があります。
また、委託者の要求に従ったことによって生じた瑕疵(かし)や、仕様に起因する瑕疵(かし)は除外されます。
■表明保証
表明保証とは義務・責任を契約書上に明文化し約束することです。
例えば、「成果物が他人の著作権を侵害していないことを保証する」などがこれにあたります。
受注側の立場としては、この表明保証は無いにこしたことはありません。
ただし、書面に書かなかくても、暗黙の合意としてあったととられる場合もあります。
クリエーター側の手続きとしては
1)第三者からクレームが来た場合にはすぐに連絡をしてもらう
2)勝手に合意・和解しないようにする
3)期間を制限する
4)金額を制限する →制作費を以上は払わないなど
といったことがあげられます。
実際に著作権侵害じゃないかというクレームが来て、企業側が和解金をだしたが本当は著作権侵害じゃなかったという裁判もあったりしたそうです。
企業側はトラブルを起こしたくない、金銭的なものを全て受注側に被せられるということで、安易に合意・和解するケースもあります。
特許などの場合は、「自分が知っているかぎり」「知り得る限り」といった文面を使う場合もありますが、著作物の場合はゼロから制作すれば問題がないので、入れる場合はあまりないです。
■損害賠償
損害賠償は書面になくても認められます。
金額の上限を制限したり、期間を制限するいことで、リスクを減らしていきましょう。
ということで(2)に続きます。
Comments
文脈から感じとれます。
まだ、契約とかそういったところまで進んでいないので、為になります。
関西でもこういうセミナーがあったら参加したいとおもいます。
(2)楽しみにしてます。
遅レスですまんです。
とりあえずようやく(2)をあげました。
「契約している相手がだれか」なんて言われないと全然気がつかなかったですよ!
本当は、契約書とかもプロにもてもらうのがいいんだと思うけど、それはもうちょっと稼いでからですね~。(><)
まぁ、とにかく契約は大事です~